例えばドア修理の場合、新品に交換すると1枚あたり10万円近くかかるのが相場です。一方、鈑金修理で対応できればその半額程度で済む場合も少なくありません。もちろん、車種や塗装の種類などにより修理金額の変動はありますが、出来る限り修理で対応する方が、費用面の負担は少なく済むのです。安さとスピード重視なら、まずは修理を鈑金修理の手間や時間を考えれば、パーツ交換をしてしまう方が効率がよく、また交換なら技術力や経験値もさほど必要なく、仕上がりにも大差がありません。しかし費用面を考えるなら、修理の方が適しているでしょう。しかし、ディーラーなどで見積りをとると「鈑金修理はムリだからパーツ交換を」と勧められる場合も多いようです。それは、パーツ交換の方が利益率が高いから、元の状態まで修復するには非常に高い技術と手間がかかるから、など作業者側の都合によるところが多いのです。また、パーツ交換の場合、箇所によっては事故車扱いになり、査定金額が安くなることもあるので、注意が必要です。
交換の方がベターな場合もありますとはいえ、事故などで広範囲に大きく凹んでしまった場合などは、交換が必至のケースももちろんあるでしょう。そうした際にも、リサイクルパーツ(中古部品)を利用することで、修理費用を抑えることができます。日本国内では毎年、400万台もの使用済み自動車が排出されています。それらから取り出されたリサイクル部品を活用することは、CO2排出削減、エネルギー抑制などの貢献にもつながります。また、修理費用の大半は部品が占めるため、リサイクルパーツの利用で部品代を抑えられれば当然、修理金額は安く抑えることができるのです。いずれの場合も工場にきちんと要望を伝え相談した上で、最善の修理方法を決めるようにしましょう。